1: 2017/01/27(金) 22:10:55.81 ID:CAP_USER
http://www.sankei.com/economy/news/170127/ecn1701270046-n1.html
東芝が27日、稼ぎ頭の半導体主力商品「フラッシュメモリー」事業の分社化と原子力発電事業の縮小を発表し、
巨額損失からの再生にスタートを切った。半導体と原発を柱に据えた再建シナリオを抜本的に見直す。
ただ、財務危機を切り売り戦略でしのいだ結果、新たな成長の柱は見えず、コーポレートガバナンス(企業統治)も弱体化。「再生」には暗雲が漂う。(万福博之)
入札の行方
「これを契機に再生に向かって頑張りたい」 綱川智社長は27日の記者会見でこう意気込んだ。
分社する半導体新会社の買い手候補は、半導体拠点の四日市工場を共同運営する米ウエスタンデジタル(WD)やキヤノン、
シャープ親会社の鴻海精密工業(台湾)、複数の欧米ファンドなどビッグネームがずらりと並ぶ。市場価値2兆円ともされる成長事業の魅力の表れだ。
日本政策投資銀行やメガバンクが組成する投資ファンドが出資する案もある。
中国や韓国の同業からの出資は技術流出懸念から避けるとみられ、現時点では「ファンドが有力」(東芝幹部)という。
だが、ファンドは2割の出資にうまみを感じるか不透明で、着地点はみえにくい。
平成29年3月期の債務超過回避までに残された時間はわずか。資本増強の肝である半導体分社は時間との戦いだ。
巨艦解体
一方、東芝は事業構造の再編にもかじを切った。経営危機の元凶となった原発事業は半導体と並ぶ柱としての位置付けを見直し、
海外を中心に事業を縮小する。「底なし沼」のように損失が発生し続けるリスクを払拭する。
東芝は主力2事業の見直しをてこに、新たな成長事業の創出など再建計画を練り直す。だが、不正会計問題発覚後にエアコンなど
の白物家電子会社や医療機器子会社といった有望事業を切り売りしてしのいできた結果、巨艦企業の「解体」が進行しており、
次の稼ぐ力を見いだすのが難しくなっている。
利益の大半をたたき出す半導体事業にも分社が影を落とす。韓国サムスン電子などとしのぎを削るフラッシュメモリーは
競争力保持に年数千億円規模の投資が必要。分社計画は昔からあったが、もともと投資資金を集めやすくするためだった。
資金が損失の穴埋めに回れば、競争力強化はおぼつかなくなる。
ガバナンス崩壊
東芝をめぐっては不正会計問題の発覚で経営陣が刷新され、ガバナンス改革に取り組んだはずだった。
今回の巨額損失は、米原子力子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)が買収した原発建設会社で想定外にコストが膨らんだのが原因。
だが、東芝経営陣は、WHの原発建設会社買収から約1年間も巨額損失の存在を把握できず、ガバナンスは弱体化したままだ。
半導体事業の売却で一時的に資金繰りが改善されても、再建には暗雲が立ちこめている。
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東芝が27日、稼ぎ頭の半導体主力商品「フラッシュメモリー」事業の分社化と原子力発電事業の縮小を発表し、
巨額損失からの再生にスタートを切った。半導体と原発を柱に据えた再建シナリオを抜本的に見直す。
ただ、財務危機を切り売り戦略でしのいだ結果、新たな成長の柱は見えず、コーポレートガバナンス(企業統治)も弱体化。「再生」には暗雲が漂う。(万福博之)
入札の行方
「これを契機に再生に向かって頑張りたい」 綱川智社長は27日の記者会見でこう意気込んだ。
分社する半導体新会社の買い手候補は、半導体拠点の四日市工場を共同運営する米ウエスタンデジタル(WD)やキヤノン、
シャープ親会社の鴻海精密工業(台湾)、複数の欧米ファンドなどビッグネームがずらりと並ぶ。市場価値2兆円ともされる成長事業の魅力の表れだ。
日本政策投資銀行やメガバンクが組成する投資ファンドが出資する案もある。
中国や韓国の同業からの出資は技術流出懸念から避けるとみられ、現時点では「ファンドが有力」(東芝幹部)という。
だが、ファンドは2割の出資にうまみを感じるか不透明で、着地点はみえにくい。
平成29年3月期の債務超過回避までに残された時間はわずか。資本増強の肝である半導体分社は時間との戦いだ。
巨艦解体
一方、東芝は事業構造の再編にもかじを切った。経営危機の元凶となった原発事業は半導体と並ぶ柱としての位置付けを見直し、
海外を中心に事業を縮小する。「底なし沼」のように損失が発生し続けるリスクを払拭する。
東芝は主力2事業の見直しをてこに、新たな成長事業の創出など再建計画を練り直す。だが、不正会計問題発覚後にエアコンなど
の白物家電子会社や医療機器子会社といった有望事業を切り売りしてしのいできた結果、巨艦企業の「解体」が進行しており、
次の稼ぐ力を見いだすのが難しくなっている。
利益の大半をたたき出す半導体事業にも分社が影を落とす。韓国サムスン電子などとしのぎを削るフラッシュメモリーは
競争力保持に年数千億円規模の投資が必要。分社計画は昔からあったが、もともと投資資金を集めやすくするためだった。
資金が損失の穴埋めに回れば、競争力強化はおぼつかなくなる。
ガバナンス崩壊
東芝をめぐっては不正会計問題の発覚で経営陣が刷新され、ガバナンス改革に取り組んだはずだった。
今回の巨額損失は、米原子力子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)が買収した原発建設会社で想定外にコストが膨らんだのが原因。
だが、東芝経営陣は、WHの原発建設会社買収から約1年間も巨額損失の存在を把握できず、ガバナンスは弱体化したままだ。
半導体事業の売却で一時的に資金繰りが改善されても、再建には暗雲が立ちこめている。